歯周病と糖尿病の関係【港区の歯医者・泉岳寺駅前歯科クリニック】
2022/01/08
こんにちは。港区の歯医者・泉岳寺駅前歯科クリニックです。
近年、歯周病と全身疾患の関係が明らかになってきています。
糖尿病を患う方は歯周病になりやすいことがわかってきました。一方で、歯周病になると血糖コントロールが悪くなるとも言われています。毎日ケアを行い口の中の健康にも気をつけましょう。
なぜ、歯肉の炎症である歯周病が糖尿病に関わってくるのでしょうか。出血や膿を出しているような歯周ポケットからは、炎症に関連した化学物質が血管を経由して体中に放出されています。
中等度以上の歯周ポケットが口の中全体にある場合、そのポケット表面積の合計は掌(てのひら)と同じ程度と考えられています。歯周ポケットの中身は外からはなかなか見えませんが、手のひらサイズの出血や膿が治療なしで放置されていると考えると、からだ全体からも無視できない問題であることが理解できると思います。
ポケットから出て血流にのった炎症関連の化学物質は、体のなかで血糖値を下げるインスリンを効きにくくします。そのため、糖尿病が発症・進行しやすくなります。
最近では歯周病と糖尿病は密接に関連していると言われており、歯周病の治療をすると血糖コントロールが改善するという研究成果も数多く報告されています。
ここでの「歯周病の治療」とは、患者さん自身のブラッシングによるプラークコントロールをしっかり行い、歯科医院で炎症の原因となっている歯石を確実に取り除く(スケーリング)ことです。そうすることで歯肉の炎症をコントロールできればインスリン抵抗性が改善し、血糖コントロールも改善するということが、日本での研究を含めた多くの臨床研究で報告されています。
一方で、全ての症例で血糖値の低下が生じないことも明らかになっており、どのような糖尿病患者さんで血糖値が下がりやすいのかを調査した今後の研究成果が待たれています。
口の中のトラブルがあれば、すぐに歯科医院を受診しましょう。治療が必要な病変は早めに発見して早めに治療することが、重症化させないために重要なポイントです。
東京都港区三田3−10−1 アーバンネット三田ビル1階