歯周病とむし歯の違いは?
2023/10/29
歯周病とむし歯は、どちらも口腔内のトラブルとしてよく聞く言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
- 症状の違い
歯周病は、歯を支えている歯肉や歯槽骨が細菌に侵されて炎症を起こす病気です。そのため、歯肉が腫れたり、歯肉から出血したり、歯がグラついたり、口臭がしたりなどの症状が現れます。
一方、むし歯は、歯の表面のエナメル質や象牙質が細菌によって溶かされる病気です。そのため、歯の表面に白い斑点や黒い穴が空いたり、歯がしみたりするなどの症状が現れます。
- 原因の違い
歯周病の原因は、歯垢(プラーク)に潜む細菌です。歯垢は、食べかすや細菌が混ざり合ってできたもので、毎日の歯磨きでは完全に取り除くことが難しいものです。歯垢が歯の表面に付着したまま放置し、歯垢が歯茎と歯の間にたまる、炎症が起こり、歯周病を引き起こします。
一方、むし歯の原因は、歯垢に潜む細菌です。歯垢に含まれる細菌が糖分を分解して酸を作り、その酸がエナメル質を溶かすことでむし歯が始まります。
- 治療方法の違い
歯周病の治療は、歯垢や歯石を除去し、歯周病菌の感染を抑えることが中心です。歯周病が進行している場合は、歯肉の再生や骨の再生を促す治療を行うこともあります。
一方、むし歯の治療は、虫歯部分を削り取って詰め物や被せ物をすることで、歯の機能を回復させることが中心です。虫歯が進行して神経にまで達している場合は、神経を抜いて根の治療を行うこともあります。
- 予防方法
歯周病とむし歯の両方を予防するには、正しい歯磨きと定期的な歯科検診・クリーニングが大切です。正しい歯磨きを行うことで、歯垢の蓄積を防ぐことができます。定期的な歯科検診・クリーニングでは、歯垢や歯石を取り除いて、歯周病やむし歯の早期発見・早期治療につなげることができます。
- 歯周病とむし歯の併発
歯周病とむし歯は、どちらか一方だけが発症するのではなく、併発することが少なくありません。歯周病によって歯茎が下がると、歯根が露出してむし歯になりやすくなるからです。
まとめ
歯周病とむし歯は、どちらも口腔内の健康を損なう病気です。症状が現れたら、早めに歯科医院を受診して適切な治療を受けましょう。
患者様へのメッセージ
歯周病とむし歯は、放置すると重症化して歯を失う原因となる恐れがあります。そのため、定期的に歯科検診・クリーニングを受けて、早期発見・早期治療を心がけましょう。また、ご自身でも正しい歯磨きを実践して、口腔内の健康を保つようにしてください。
また、歯周病とむし歯は、併発することも少なくありません。歯周病によって歯茎が下がると、歯根が露出してむし歯になりやすくなるからです。そのため、歯周病の治療を行う際には、むし歯の検査も同時に受けることをおすすめします。
あなたの歯の健康を守るために、ぜひこれらの情報を参考にしてください。
症状 | 歯周病 | むし歯 |
---|---|---|
起こる場所 | 歯槽骨や歯肉 | 歯 |
初期症状 | 歯肉の腫れ、出血、歯のグラつき | 歯のしみ、痛み |
進行症状 | 歯茎の退縮、歯槽骨の吸収、歯の抜け落ち | 歯の穴が広がり、歯の神経が露出する |