歯茎が白い!?原因は何?
2023/09/27
歯茎が白くなる、歯茎に白いできものができる原因とは?
歯茎が白くなるもしくは、歯茎に白いできものができてしまう原因にさまざまです。一般的な原因として考えられるものには以下のものがあります。
- 口内炎
- 歯周病
- 瘻孔(サイナストラクト)
- 白板症
- 扁平苔癬
- 骨隆起
- 口腔がん
- 外傷や機械的刺激
- 口腔カンジタ症
- 貧血
・口内炎
口内炎で歯茎が白くなることがあります。口内炎の一種であるアフタ性口内炎は、歯茎にも発症することがあります。アフタ性口内炎になると、歯茎に白い膜のようなものができ、それが歯茎が白く見える原因になります。
アフタ性口内炎は、ストレスや疲労、栄養不足などが原因で起こると考えられています。また、歯の詰め物や被せ物が歯茎に当たって傷ついても、アフタ性口内炎が起こることがあります。
アフタ性口内炎は、3日~1週間で自然に治ることがほとんどです。ただし、痛みが強い場合は、市販の鎮痛薬や軟膏などで対処することができます。
・歯周病
歯ぐきが炎症を起こすと、赤く腫れることがありますが、炎症が進行すると歯茎が白くなることもあります。また特殊な歯周病の一種に壊死性潰瘍性歯肉炎というものがあります。歯肉が壊死して潰瘍を形成する、より重い病気です。歯肉が白っぽく濁り、出血と激しい痛みが伴うので、気づいたらすぐに歯科医院を受診してください。
原因は、栄養状態の悪化やストレスなどが考えられていますが、はっきりとはわかっていません。また、HIV感染症や白血病などの免疫力が低下している患者に多く見られます。
治療としては、口腔清掃を徹底し、うがい薬を処方します。口腔清掃を徹底することで、歯垢や歯石が蓄積するのを防ぎ、歯周病の進行を抑えることができます。うがい薬は、口腔内の細菌を殺菌し、炎症を抑えるのに役立ちます。
症状が改善しない場合は、原因を調べるために、血液検査やその他の検査を行うこともあります。
歯周病は、放置すると歯が抜け落ちてしまうこともあるので、早期発見・早期治療が大切です。ご自身で歯磨きやデンタルフロスをしっかり行い、定期的に歯科医院で検診を受けましょう。
・瘻孔(サイナストラクト)
瘻孔とは、歯の根の先の骨に膿が溜まることで、歯茎にできた小さな穴のことです。瘻孔から膿が出ることによって、歯茎が白く見えることがあります。見た目は歯茎にできたニキビの様なものです。
瘻孔は、歯周病や虫歯が原因で起こることがあります。歯周病が進行すると、歯茎が歯から離れ、歯を支える骨が溶けてしまいます。歯の根の先の骨が溶けると、膿が溜まることがあります。
虫歯が進行して歯の神経まで達すると、歯の根の先の骨に膿が溜まることがあります。この状態を「根尖性歯周炎」と呼びます。
瘻孔で歯茎が白くなっている場合は、歯周病や虫歯の可能性があります。歯茎に腫れや痛みなどの症状がある場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
瘻孔の治療には、歯周病や虫歯の治療を行うことで、膿が溜まるのを防ぎます。瘻孔が大きい場合は、瘻孔を切開して膿を排出することもあります。
・白板症
白板症は、口腔内の粘膜にできる白い苔のような病変です。白板症は、喫煙やストレス、ビタミン不足などが原因で起こると考えられています。
・扁平苔癬
扁平苔癬は、口腔粘膜に生じる角化異常を伴う慢性炎症性疾患です。扁平苔癬の病変は、白色のレース状や網状の模様を呈することが多く、歯茎にも発症することがあります。
扁平苔癬の原因は不明ですが、遺伝や免疫異常、金属アレルギーなどが関与していると考えられています。扁平苔癬は、痛みや出血などの症状を伴わないことも多く、自覚症状がないまま進行することもあります。
・骨隆起
骨隆起とは、歯茎の骨が盛り上がることで、歯茎が薄くなる状態です。骨隆起が起こると、歯茎の内部にある歯槽骨が透けて見えるようになるため、歯茎が白く見えることがあります。
骨隆起は、歯ぎしりや食いしばりなどの癖が原因で起こると考えられています。歯ぎしりや食いしばりによって、歯茎に過度な力が加わることで、歯茎の中の骨が盛り上がってしまうのです。
骨隆起の治療は、歯ぎしりや食いしばりの癖を治すことが大切です。歯ぎしりや食いしばりの癖を治すには、マウスピースやナイトガードなどの装置を使用する方法や、リラックストレーニングを行う方法などがあります。
・口腔がん
口腔がんは、口腔内の粘膜にできる悪性腫瘍です。口腔がんの病変は、白色の斑点や隆起、潰瘍などさまざまな形をとりますが、歯茎にも発症することがあります。
口腔がんの歯茎の白さは、病変の範囲や程度によって異なります。口腔がんの疑いがある場合は、歯科医院を受診して、適切な治療を受けましょう。
・ウイルス性疾患
手足口病やヘルパンギーナ、ヘルペスなどの症状の一つとして口腔内に小さな白い水疱が多数生じ、激しい痛みを伴います。発熱などの症状も伴うため医科への受診をおすすめします。
・外傷や機械的刺激
外傷や機械的刺激によって歯茎が傷つくと、血管や神経が損傷し、歯茎が白く見えることがあります。
機械的刺激による歯茎の白さは、以下のようなものが考えられます。
- 歯磨きやフロッシングによる歯茎の傷つけ 【歯磨きについての詳細はこちら】
- 歯の矯正による歯茎の傷つけ
- 義歯やブリッジの不適合による歯茎の圧迫
- 歯ぎしりや食いしばりによる歯茎の損傷 【歯ぎしりの原因についての詳細はこちら】
歯磨きやフロッシングによる歯茎の擦過傷は、歯茎をこすりすぎたり、歯ブラシの毛先が硬すぎたりすることによって起こります。歯の矯正による歯茎の傷つけは、歯の移動によって歯茎が引っ張られて起こります。義歯やブリッジの不適合による歯茎の圧迫は、義歯やブリッジが歯茎にしっかりとフィットしていないことによって起こります。歯ぎしりや食いしばりによる歯茎の損傷は、歯を強く噛み締めることで起こります。
機械的刺激による歯茎の白さは、原因を取り除くことで治ります。歯磨きやフロッシングによる歯茎の傷つけは、歯ブラシの毛先をやわらかくしたり、歯磨きの仕方を工夫したりすることで改善できます。歯の矯正による歯茎の傷つけは、歯の移動が完了するまで、歯茎への負担を減らす必要があります。義歯やブリッジの不適合による歯茎の圧迫は、義歯やブリッジの調整によって改善できます。歯ぎしりや食いしばりによる歯茎の損傷は、マウスピースやナイトガードなどの装置を使用することで改善できます。
・口腔カンジタ症
口腔カンジタ症は、真菌の一種であるカンジダ・アルビカンスという菌が口腔内で増殖することで起こる感染症です。口腔カンジタ症の病変は、白色の苔のような膜を形成することが特徴です。この白色の膜は、歯茎にも発症することがあります。
口腔カンジタ症の治療は、抗真菌薬の塗り薬や内服薬が用いられます。
・貧血
貧血は、血液中の赤血球数が減少することで起こる病気です。赤血球は、酸素を運ぶ役割を担っています。貧血になると、血液中の酸素が不足するため、歯茎の色素沈着が失われ、歯茎が白く見えることがあります。
貧血による歯茎の白さは、貧血の程度によって異なります。貧血が軽度の場合は、自覚症状がないこともあります。しかし、貧血が重度になると、歯茎が全体的に白く見えるようになり、歯茎の腫れや出血などの症状が現れることもあります。
貧血による歯茎の白さの治療は、貧血の原因を取り除くことが大切です。貧血の原因が鉄欠乏性貧血の場合は、鉄剤の服用によって治療が行われます。また、ビタミンB12欠乏性貧血や葉酸欠乏性貧血の場合は、ビタミンB12や葉酸の補充によって治療が行われます。
歯茎が白く見える場合は、これらの原因が考えられます。歯茎の白さは、口内炎や白板症などの症状と似ているため、自分で判断するのは難しいです。歯茎に白く見えるものがある場合は、早めに歯科医院を受診して、原因を調べてもらいましょう。